私は幸姫 辛口 純米を「個性的な印象に残る辛口日本酒」と紹介しています。お酒を近づけるとゆっくりとメロン系の香りが漂い、口にするとパンチの効いた第一印象があります。そして、すっきりとキレのいいフィニッシュが特徴です。

原材料は佐賀県産の食用米「さがびより」を使用し、精米歩合は70%です。つまり、食用米の外層を30%しか削り取っていません。この仕様は非常に興味深く、有明海に面する佐賀県の豊かな土壌で育ったお米の旨みが、日本酒の力強い味わいに大きく影響していると考えられます。

酒蔵の「小さい」という点を強みに、酒造りの細部にまでこだわって造られた日本酒です。造り手の思想や技術がダイレクトに反映されています。

幸姫酒造は1934年に佐賀県鹿島市に創業しました。人口3万人の小さな町には6つの酒蔵がありますが、その中で最も若く、最も小さな酒蔵です。小さなタンクで丁寧に醸造するため、量産はせず、少量の特性を活かして、気温、水温、酒米の出来などのバランスを管理し、理想の「蔵の味」を追求しています。また、近くには日本三大稲荷のひとつである祐徳稲庭神社があり、その御指定神酒の醸造元でもあります。

幸姫酒造は日本酒を新しい市場に届ける取り組みにも挑戦しており、酒蔵の見学やテイスティングを開催しています。また、アルコール0%の日本酒ソフトクリームは、子供やお酒が飲めない方、ドライバーが安心して召し上がることができ、テレビやメディアで紹介されるなど人気商品に成長しています。

さらに、各種コンテストに積極的に出品しており、イギリスのInternational Wine Challenge、アメリカの全米日本酒歓評会、オーストラリアのAustralian Sake Awards、日本のSAKE COMPETITIONなどで入賞しています。